映画「君の名は。」で秋田内陸縦貫鉄道は救えるか ~前田南駅 君の名は”マミ”~
映画「君の名は」が100億円に迫る大ヒットを見せている。
正直見ることはないと思っていた。
いまさら映画を見て、「くそ、リア充くそ!(俺もこんな青春を送りたかったのに)」的な感覚を持ちたくないのだ。
さらに昔を懐かしんでセンチメンタルに浸ると、現実とのギャップに押しつぶされそうになるからだ。
いまだに見たいみたいと思っている「秒速5センチメートル」(2007)年すら気が進まない。嫌いなわけではないのだがいまいち足が向かないのだ。
しかし、そこで今日、以下の状況を知り、その状況は一変した。
糸守町最寄として登場する駅のモデルは
— 君の名は。 (@kiminona_name) 2016年9月20日
秋田内陸縦貫鉄道との情報がありました。
しかし現地調査の結果、
90%以上の確率で前田南駅(秋田県)と判断します。
カット合わせしてみましたが駅は完全に近い形で一致。#君の名は pic.twitter.com/HplVXNz5IN
まじかよ。
内陸線かよ。
その前にこの変な日本語使っている中の人だれだよ。
「しかし」じゃねえよ。「たしかに」だよ。
ただ、これも鉄道路線名と駅名がリンクしていないから生じた現象だと思うので簡単に解説しますね。
秋田県にある三セク「秋田内陸縦貫鉄道」(通称・内陸線)の一部の駅(前田南駅)が、映画内のヒロインが使う糸守町の駅(作中に登場する、見ていないので名前は知らない)ではないか、というのだ。
秋田県民発狂。
秋田内陸縦貫鉄道とは、秋田県北部の北秋田市と、南の仙北市角館(武家屋敷で有名)をむすぶ全長約100キロを運行する路線(または社名)です。
今回「君の名は。」でモデルとなっている前田南駅は、北から10番目に位置する小さな無人駅。
(秋田内陸縦貫鉄道ホームページ路面図から抜粋)
余談ですが、その下にある阿仁という地域は、阿仁マタギで有名ですね。
最近はヤングジャンプで掲載されている人気漫画「ゴールデンカムイ」の谷垣源次郎の出身設定です。勃〇!
さて、その前田南駅ですが、ものすごく…無人駅です(2回目)。
写真からわかるとおり、駅舎はなく、待合室が設置されているだけの駅だそうだ(北秋田市とかほとんどいったことねーです)。
旧内陸線「大変だ」
秋田県「力かしてやらんでもないで」
新内陸線「まじすか。おし開業すっぞ、北と南つながってないけど!(1986年)」
JR「「新しい鉄道でつなげたぞ(1989年)」
内陸線「え?」
JR「えw?」
~記者会見~
記者「住民・地域の高校の足である内陸線についてどうお考えか」、
秋田犬知事「2012年まではとりあえず。国の補助金でインフラ整備してね」
記者「(大半の秋田県人使ったことないんじゃ)」
という路線です。
さらに以下のような報道もかこにはあったようです。
秋田内陸縦貫鉄道と由利高原鉄道の代替措置を検討。秋田県知事が議会で答弁。「同じ金でも別の使い方があるのでは」 - 旅行総合研究所タビリス
内陸線「収入2億3883万円、支出4億4088万円、補助金2億を足して、ちょっと足りなかったかなー(2015年3月)」
つまり厳しいながらも、国や地域の補助で何とか持っている一ローカル線の一田舎駅なのだ(三セクのローカル線はどこも大変だと思うが)。
これらの状況を加味した上で、一秋田県民としての妄想を申し上げる。
「君の名は。の大ヒットによる聖地巡礼で、今期、または来期の状況がどれだけ好転するか」
もうこの1点である。
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1450659303224/files/H27kabu8.pdf
秋田県庁のホームページに行くと読むことができるが、秋田内陸縦貫鉄道の平成26年度決算(経営概要書)を見ると、数年前まで目標輸送人数が60万人に設定されていました。しかし実績を見ると30万人台前半で推移しています。平成26年からは目標値自体を現実的な30万人台に修正しています
凄く大雑把にまとめますと、60万人が採算ライン(補助金なしで)と仮定すると、残り30万人程度が必要とすれば約800人ほどの利用者が1日あたり増えればいいことになります。
これは不可能なことなのか。それが、仮に一過性のものだとしてもだ。
私自身の聖地巡礼履歴は多くない(最終兵器彼女の小樽、ひぐらしのなく頃にの白川郷)。
今回の「君の名は。」での盛り上がりを見ても、聖地巡礼のために上記路線を使うイメージが湧く。既に飛騨地方では盛り上がりを見せているし、すでにファンの間では、聖地巡礼を兼ねた旅というものは10年以上前から確率されている。
特にこの秋田内陸縦貫鉄道の南の終着駅である仙北市角館は県内屈指の観光地。
沿線の自治体や北の終着駅である各地に波及してほしい。
今後は、具体的に乗客数を試算するもよし、各自治体がこれを契機に地域にある資産として内陸線を活用する案を出すもよし(ただし議会レベルではなく民間主導のアイデアがまず必須だろう)。
秋田県内にはJRではあるが、「奇跡のローカル線」として五能線が存在する。
タモリさんがもっとも好きな路線として名高い(笑っていいとも!出演時に地元出身の佐々木希が知らなかった路線としても名高い)。他にはない景観が魅力であるが、それは内陸線も変わりない。
聖地巡礼で来たけども、日本の原風景が残る地域を特別急ぐことのない列車に揺られながら、ガタンゴトンと旅をしよう、これもまた趣があると思う。
さらにウィキにはこうある
電報略号 「マミ」
と。
そうか、君の名はマミというのか。
急にいとおしくなってきたよ。ねえマミ。
女性キャラに擬人化してこちらも需要がありそうですね。
最後に、オールド世代においての「君の名は」はこちらですよね。60年前か。じいちゃんに聞いてみるかな。
http://nihon.eigajiten.com/kiminona.htm
追記20160924
9月24日に地元紙秋田魁新報社会面にて以下の報道がありました。
前田南駅説は確定でしょうか。